琵琶湖を毎日眺めながら暮らす生活に、憧れを感じる人は多いでしょう。しかし、実際に住むとなると良い面だけではなく、気になる点も出てきます。滋賀県への移住者が年々増えている人気の一方で、事前に知っておかないと後悔するポイントも存在します。本記事では、琵琶湖の近くに住む場合のメリットとデメリットを解説します。
琵琶湖の近くに住むメリット
琵琶湖周辺には、都市部では得られない暮らしの豊かさがあります。自然環境・交通アクセス・生活コストの面で、移住者から高い評価を受けているポイントを見ていきましょう。
大阪・京都へのアクセスがよい
滋賀県南部に位置する大津市は、JR新快速を使えば京都駅まで約10分、大阪駅まで約40分で移動できます。都市部へ通勤しながら、自然豊かな環境で暮らせる点は琵琶湖エリアならではの大きな強みです。
近畿地方の中でも、都市へのアクセスのよさと静かな生活環境を両立できる数少ないエリアといえます。新幹線の停車駅である米原駅も県内にあるため、出張が多い人にとっても利便性の高い立地です。
家賃・地価が比較的手ごろ
大阪府や京都府と比較すると、滋賀県の地価や家賃は低めです。たとえば大津市の地価は平均9万7,753円/m2(令和5年)で、京都市や大阪市の中心部と比べるとかなり抑えられています。
また、県内でも湖北など北側のエリアはさらに地価が下がるため、広い家や土地を求める人にとっては選択肢が広がります。生活費全体を抑えながら、ゆとりある住環境を手に入れられる点は大きな魅力です。
豊かな自然とアウトドアが身近にある
周囲約200kmにおよぶ琵琶湖では、カヌーやジェットスキーなどのウォータースポーツも楽しめます。また、湖岸沿いのサイクリングロードや登山スポットなども充実しており、日常的にアウトドアを楽しめる環境が整っています。
都市部の喧騒から離れ、自然のなかでゆったりと暮らしたい人には魅力的な環境です。四季折々の湖の景色を毎日の生活のなかで楽しめることも、琵琶湖エリアならではの魅力のひとつです。
琵琶湖の近くに住むデメリット
一方で、琵琶湖周辺ならではの不便さや困りごとも存在します。移住して後悔しないためにも、事前にデメリットをしっかり把握しておくことが大切です。
びわこ虫が年2回大量発生する
びわこ虫と呼ばれるユスリカが、春(3〜4月)と秋(11〜12月)に大量発生します。人を刺すことはなく毒性もないものの、住宅の壁や車にびっしりと張り付く光景は、虫に慣れない人には大きなストレスになります。
とくに大津京から膳所周辺が発生のホットスポットとして知られており、湖岸に近いほど被害が大きくなります。びわこ虫発生期間中は洗濯物をベランダに干しにくくなるなど、日常生活にも影響が出ます。
車がないと生活しにくい
滋賀県は基本的に車社会で、バスや電車の本数が少ない地域がほとんどです。JR湖西線は強風の影響を受けやすく、遅延や徐行運転も頻繁に起きます。また、琵琶湖が真ん中にあるため、反対側のエリアへ移動する際は大回りが必要となり、直線距離約30kmの移動でも1時間30分以上かかることがあります。
一家に1台ではなく、一人1台の車が必要になるケースも多いです。
水害リスクと冬の寒さへの備えが必要
琵琶湖に近いエリアは、大雨や地震の際に水位が上昇し、湖岸付近での浸水リスクがあります。滋賀県は独自のハザードマップを公表しているため、住む前に必ず確認することをおすすめします。
また、県北部(湖北エリア)は近畿地方で唯一、特別豪雪地帯に指定されており、冬の積雪が多く、雪かきや路面凍結対策が欠かせません。夏には湖岸近くで水のにおいが気になる場合もあります。
後悔しないためのエリア選びのポイント
琵琶湖周辺と一口にいっても、南部・北部・湖西・湖東でそれぞれ特徴が異なります。自分のライフスタイルに合ったエリアを選ぶと、デメリットを最小限に抑えられます。
都市アクセスを重視するなら湖南エリア
大津市や草津市など琵琶湖南部の湖南エリアは、京都・大阪への通勤に便利です。商業施設も多く、生活利便性が高い一方で、地価や家賃はやや高めになります。びわこ虫の発生エリアと重なる部分もあるため、住む場所は湖岸からの距離を確認することが重要です。
また、草津市は近年人口が増加しており、大型ショッピングモールや医療施設も充実しています。
静かな暮らしを求めるなら湖北・湖西エリア
湖北や湖西は自然が豊かで地価も低く、広い家を手ごろな価格で探せます。ただし、豪雪地帯に指定されている湖北は冬の積雪対策が必須で、車なしでは生活が成り立たない地域も多くあります。
湖西エリアは比較的びわこ虫の被害が少なく、サイクリングロードが整備されているため、アウトドア好きには住みやすいエリアです。
まとめ
琵琶湖の近くに住む最大のメリットは、都市部へのアクセスのよさと豊かな自然環境、そして比較的手ごろな生活コストです。一方で、びわこ虫の大量発生・車社会による移動コスト・水害リスクや冬の厳しい寒さといったデメリットも存在します。これらのデメリットは住む場所の選び方によって、影響の大小が変わります。移住前には滋賀県のハザードマップを確認し、実際に現地を訪れてエリアの特性を体感しておくと安心です。メリットとデメリットの両方をしっかり理解したうえで、自分のライフスタイルに合った場所を選ぶことが、琵琶湖周辺地域での暮らしを充実させる第一歩になります。