長期優良住宅のメリットとデメリットについてお伝えします。家を建てる際、長期優良住宅の認定を受けた方がよいのか迷っている、という方も多いでしょう。長期優良住宅には、メリットだけでなくデメリットもあるため、総合的に判断することが大切です。ここでは、長期優良住宅のメリット・デメリットから申請の流れまで、詳しく紹介します。
長期優良住宅とは？
長期優良住宅は、国が定める基準をクリアした良質な住まいを指します。長期優良住宅の認定を受けるためには、劣化対策や耐震性などのさまざまな基準を満たす必要があります。
国が定める基準をクリアした良質な住まい
長期優良住宅とは、長期にわたり安全かつ快適に住み続けられるための措置が講じられた良質な住まいです。「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、国からの認定を受けます。
長期優良住宅の認定基準
長期優良住宅の認定基準は、以下の通りです。
・劣化対策
・耐震性
・維持管理、更新の容易性
・省エネルギー性
・住戸面積
・居住環境への配慮
・維持保全計画
・災害配慮
数世代にわたり住まいが使用できることや地震に強いなどの基準をクリアした住まいのみ、長期優良住宅の認定を受けることができます。ハウスメーカーや工務店が長期優良住宅の認定基準をクリアできるように設計・施工するため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
長期優良住宅のメリット・デメリット
長期優良住宅には、メリットとデメリットがあります。それぞれをしっかり理解したうえで、認定を受けるかを検討しましょう。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅の認定を受けた住まいは、不動産取得税や固定資産税、登録免許税などの特別措置の対象になるため、税制面で恩恵を受けることができます。フラット35では、長期優良住宅に認定された住まいに対して、金利が優遇されたプランが用意されています。
また、優れた耐震性が備わっている長期優良住宅は、一般住宅と比較すると、地震保険料を抑えることが可能です。高性能な長期優良住宅は、資産価値が落ちにくいため、一般住宅と比較すると、高値で売却できる可能性が高まるでしょう。
心置きなく長く住み続けられる高い性能が備わっているため、次世代に引き継ぐことも可能です。高断熱・高気密な省エネ住宅では、年中快適な室温を保つことができます。
長期優良住宅のデメリット
長期優良住宅の申請には、手間とコストがかかります。長期優良住宅に適した設計や材料、設備などが必要なため、一般住宅と比較すると、建築コストも高くなりがちです。また、長期優良住宅の機能を維持するための、維持費や維持保全計画書に沿った点検が必要です。
認定までの流れ
長期優良住宅の認定は、着工前までに申請を済ませる必要があります。それぞれのステップについて解説します。
長期優良住宅の実績が豊富なハウスメーカーを探す
長期優良住宅の認定申請は、基本的にハウスメーカーや工務店を介して進めます。認定基準を満たす設計・施工ができる実績豊富な業者を選びましょう。ハウスメーカーの選定には、過去の実績や評価、口コミなどを参考にすることが重要です。これにより、心置きなく住宅建設を進められるでしょう。
登録住宅性能評価機関の技術的審査を依頼する
次に、登録住宅性能評価機関の技術的審査を受けます。登録住宅性能評価機関とは、長期優良住宅の普及を目的とし、所管行政庁をサポートする役割を担う機関です。
技術的審査の依頼には、確認申請書や住宅性能評価申請書などの書類が必要なため、これらを事前に用意しておきましょう。認定基準をクリアすると、適合書が交付されます。技術的審査では、住宅の設計や施工の適正性がチェックされるため、万全の準備が求められます。
所管行政庁に認定申請する
所管行政庁に適合書、認定申請書、設計内容説明書、図面・計算書などの書類を提出します。申請が受理されると、適合審査に進みます。審査を通過できれば、長期優良住宅として認定され、認定通知書が交付されます。
この段階では、住宅の耐久性や省エネ性能、維持管理の容易さなどが総合的に評価されます。適合審査に時間がかかる場合があるため、早めの準備が重要です。
着工・完成
所管行政庁から認定通知書を交付された後、着工となります。着工前までに申請を完了する必要があるため、注意が必要です。認定を受けた住宅は、将来的に資産価値が高まり、さまざまな優遇措置を受けられる可能性があります。
完成後も、長期優良住宅としての維持管理が求められるため、定期的な点検やメンテナンスをおこなうことが推奨されます。
まとめ
長期優良住宅は、国が定める認定基準をクリアした良質な住まいのことです。長期にわたり安全かつ快適に住み続けられると国に認定されているため、次世代に引き継ぐことも可能でしょう。
長期優良住宅には、税制面で優遇措置が設けられていたり、地震保険料が割引されたり、さまざまなメリットがあります。一方で、申請に手間と時間がかかるなどのデメリットもあるため、総合的に判断することが重要です。
長期優良住宅の認定を受ける場合は、着工前までに申請する必要があるため、注意しましょう。長期優良住宅のメリットとデメリットをしっかり理解して、認定を受けるかどうかを検討してみてください。
